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【読書感想文】ホテルローヤル(桜木紫乃)【ラブホが舞台、セックスがテーマ】

 

 こんにちは、菅野です。 今回はこないだ読み終わった小説、『ホテルローヤル』について感想を書きたいと思います。

 

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 ☑️あらすじ

 ホテルローヤルというラブホテルを舞台にした小説です。7つの短編からなり、それぞれの話で主人公、そして描かれている時間も違います。ラブホテルが舞台なのでエロ小説かと思いきや全くそうではなく、どちらかといえば性の暗い部分に焦点をあてて描いている作品だと思います。

 

 ☑️よかった点

 自分はまだ大学生で子供なのでセックスについて経験が豊富ではないですが、他の人の性に対する観点が見えたのがおもしろかったです。こういうことは男友達同士でもふざけていろいろ話したりすることはあれ、真面目に語り合うことはあまり無いと思います。筆者は女性の方ですし、他人のリアルな性に対する考え方が一つ知れた気がします。

わかりやすいのが、ラブホテルを舞台にした小説ですが、セックスのシーンというものの割合はかなり少なく、どちらかといえばそれに至るまで、そしてした後の主人公の心の動きなどに大きく焦点があたっています。またそうしてセックスがなにげない一場面として描かれることでそれがそんなに特別なものではないという風に表現されていた気がします。どちらかというと性はマイナスのイメージで語られることが多いですし。

 

 ☑️微妙だった点

 他人の性の事情を知れると書きましたが逆に言えば僕のようにあまりセックスというものを知らない人からすれば衝撃なこともあります。 セックス=若いピチピチな人がするみたいな純粋なイメージを持っている人もいるかと思いますが(?)、当然そんなことはありません。おじさんおばさんもしますしおじいさんおばあさんもするかもしれません。よくわからない漠然とした妄想や自分と同年代の人たちの話や体験、AVなどのイメージで生きている人からすればこの小説で書かれる性事情はあまりにもリアルです。そういう意味ではあまり若い人向けではないのかもしれません。

 

 ☑️総合評価 6.0/10.0点

 作品としてかなりすごい作品だと思いました。おもしろかったですしいろいろと考える場面も多かったです。しかし先ほども書いたように若い人向けではなかったかなと思いました。どちらかというとドキュメンタリー番組を見ているような気分に近い気がします。とても面白いんですけどね笑 また5年後10年後に読み返したら違う何かを得られるような気がします。

 

-「ホテルローヤル」 著者:桜木紫乃