【読書感想文】御不浄バトル（羽田圭介）【トイレでオ○ニーする“男”の話（？）】
こんにちは、菅野です。今回は前回の読書感想文で読んだ「20の短編小説」で僕が気になった作家さん、羽田圭介さんの「御不浄バトル」という作品を読んだので感想を書きたいと思います。
☑️あらすじ
主人公は悪徳企業につとめる会社員。サギまがいの高額訪問販売をするその会社はブラック企業でもあり、顧客はもちろん、そこの社員すらも苦しめている存在だった。営業課には厳しいノルマが課せられ半年で退社する者が多い一方、大卒で経理として入社した主人公はなんとかやりすごし入社してもうすぐ2年がたとうとしていた。緊張感の漂う日常に置いて、主人公の日課、そして楽しみとなっているのがトイレ。 駅のトイレ、会社のトイレで彼は日常から抜け出しくつろぐ。 そんな中彼をとりまく環境、そして彼自身の心がある出来事によって大きく変化していく。
☑️良かった点
・文は非常に読みやすいし、量も多くないのでサクッと読むことが出来る。 僕も買って家に帰ってその日のうちに読み切ってしまいました笑
・トイレを憩いの場とする主人公の小さい心のあり方や、日常の些細な喜びを楽しむそのリアルさが非常に心地よく、楽しめる。
・ブラック企業という社会の問題に切り込んでいきながらも決して内容はチープすぎず重すぎないちょうどよいバランス。
☑️微妙だった点
・終わり方がきれいではない。これはいわゆるイヤミス的終わり方でそれはそれで良いのだが、もう一押しだけエンディングを見せてくれても良いかな、と思った。
・非常〜〜〜〜にトイレ描写が多い（タイトルからして当たり前だけど笑）。 僕は全然大丈夫だったけれど、排便の様子とかもちゃんと描かれちゃってるのでその辺が苦手な人は・・・うん。でももちろん汚く描こうとしているのではなく、あくまでも冷たくリアルに書いているので不快感はない。
☑️総合評価 8.8点/10点
昨日「20の短編小説」の感想を書いて、気になる作家さんとして羽田圭介さんをあげて、そして今日速攻で羽田さんの本を買ってきてすぐに読んで感想書いちゃうって言うね笑 しかし買うとこまではともかく、読み始めて読み終わるまでがめっちゃくちゃ遅い僕がこんだけ短時間で読めたことに自分でも驚いています。それくらい読みやすかったし面白かったし、僕好みでした。
「20の短編小説」に掲載されていた作品とやはり同じように、「男性目線のリアルさ」を描いている作品でした。 トイレの個室でめちゃくちゃくつろいじゃう（しかもどこのトイレでも良い訳ではなく、きちんと自分のお気に入りのトイレがある）ところはすごい良くわかります。 汚い公衆トイレって前を通りたくもないくらい嫌いですけど綺麗で快適な公衆トイレってほんと下手したら自分の家のトイレ以上にリラックスできちゃうと言っても過言では無いくらいです。 家にいるときはもちろんいつでも家のトイレでう○こできますけど、外にいるときってそうもいかないじゃないですか。しかもさっきも言ったように公衆トイレって汚い場合も結構あるんで迂闊に知らない公衆トイレに飛び込みたくない。そんなときに自分の行き慣れている（？）、信頼できる（？）、公衆トイレがあるというのは非常〜〜〜に強い安心感があるわけですね。
昔からおなかが弱くトイレにいろいろな思いがあるために必要以上にトイレ論を繰り広げてしまいました笑 そんなお気に入りのトイレで主人公は様々な行為におよび、日常から逃避しようとします。最初はただ用を足していただけの主人公はご飯を食べたりオ○ニーしたりとやりたい放題。その一方で日常の場面ではブラック企業と戦う、とまではいかなくてもささやかな抵抗を見せます。
例えば半沢直樹みたいに、不正を一刀両断、何が何でも悪をやっつける！というのももちろん当たり前にかっこ良くて面白いですが、地味に抵抗しつつそれでもやっぱやりきれなくてトイレ（安息地）に駆け込んじゃう、みたいなこの主人公は本当にリアルで、逆に読んでてめちゃくちゃわくわくします。
日常のささやかな一場面を楽しむこのような小説は超僕好みでした。羽田さんの作品を買おうと思って本屋でいろいろ見ていて、最初は芥川賞受賞作の「スクラップ・アンド・ビルド」を買おうとしたのですが、ふとこの本のあらすじを読んで「絶対おもしろい！絶対僕が好きな奴やこれ！！！」と直感で判断し、速攻買いました笑 「スクラップ・アンド・ビルド」も絶対面白いのですが、文庫になってないってのと芥川賞受賞っていうのが逆に重く響いて今回は一旦ヤメにしました笑 でもそのうちきっと読みます！
-「御不浄バトル」 著者：羽田圭介-
☑️追記
さりげなくAmazonのアフィリエイト？を追加してます。 これでお金稼ぎをしようという気持ちが全くない訳ではありませんが、もちろんこんな始めたばっかの素人中の素人ブロガーがこれでお金になるとは思っていません笑 ただせっかく感想文を書いたりしてみるので一応こういうのをつけておいた方が格好がつく、というのと、アフィリエイトという物差しをつけてみることによって自分の文章が他人にどう写っているのかを確かめ、自分の力を試してみたいと思ったからです。
・・・というよりそもそもこのブログに読者なんているのかっていうね。アクセスカウンターを見ればそれはハッキリしていますが・・・笑 とりまがんばります！笑
